銃・病原菌・ダイヤモンド製作記 〜その3〜
こんにちは。鷹巣堂のいそのたかみです。今回は、処女作である「銃・病原菌・ダイヤモンド」のデザインを作ったときのお話です。
さて、カードゲームといえば最近は、素敵なイラストが目を引くものが増えています。
最近だと、ラブレターなんかはまさにその典型例ですね。
立ちはだかるコストの壁
ただ、最初に出すゲームにどれだけお金を投資するかというのは、なかなかの考えどころです。
銃・病原菌・ダイヤモンドはカードの種類が少ないので、表が5枚+鉱山1枚と裏が1枚(色違い)。あとは箱絵が1枚として、合計で8枚のイラストが必要になります。
ということは、1枚1万円だとして、合計で80,000円……!
カード自体は萬印堂さんの初心者応援パックを使って50部で20,000円を予定していたので、イラストがゲーム本体の4倍という金額にビビりました。
50部でイラスト代含めて10万円となると、原価ベースで1つ2,000円になってしまいます。
これはちょっと厳しすぎるので、フリー素材を使うことにしました。
icooon-mono.com
ICOOON-MONOさんのシルエットのアイコンが魅力的だったので、こちらを使ってデザインした最初の案がこちらになります。
テストプレイまではこれでやっていたんですが、よくよく調べていくと、銃はもっと古い時代のものを使ったほうが良さそうだな、と思い始めてきました。
というのも、ダイヤモンドをめぐる戦争は実際の歴史にも登場することがわかったから。
植民地時代、ヨーロッパ人はアフリカを植民地としてダイヤモンド鉱山で働かせ、現地の人達と戦争をしてきたのだそうです。
さらにダイヤモンド鉱山で有名なシエラレオネでは、エボラ出血熱の大流行が問題になっていたり。
思いつきで考えたタイトルの割に、史実とピタリと一致していて驚きました。
庶民の味方、パブリックドメイン
そこで、カードにはWikipediaに掲載されているパブリックドメインの写真を使うことにしました。
パブリックドメインとは、知的財産権が発生していない状態または消滅した状態にある作品のことで、商用理由が自由になっているもの。
ボーア戦争時代の騎馬兵やコマンドーの写真を使うとともに、キャプションやカードの強さを併記することで、強弱関係を分かりやすくしました。
箱の表紙はジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」をまるごとパクるオマージュすることにし、文庫本のようなデザインを目指しました。
- 作者:ジャレド ダイアモンド
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2013/07/12
- メディア: Kindle版
箱絵に使用した「Floreat Etona!」が、原著の雰囲気にそっくりで気に入っています。
File:Thompson laingsnek.jpg - Wikimedia Commons
次回は、ゲーム用のトークンを試作したときのお話をしたいと思います。